恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

てっきり、何か文句を言われるのかと思っていた。

でも…

そうじゃなかった。




「…当麻が、世話んなったな」

「え、そんな。私は何も」

慌てて首を振ると、当麻くんのお兄さんは…

私に深く頭を下げた。





え…何のマネ?






「…あいつの、支えになってくれて。ありがとう

「そんな。私は…何も」

当麻くんのお兄さんは、頭を上げると周りを見渡し当麻くんがいない事を確認する。

「入院中も、親父たちは当麻の見舞いになんか一切行かねーし。もちろんオレが行ったら当麻は嫌な顔するって、わかってたからな…行けなかった」

「…お父さんたち、冷たいんですね。今日だって、退院したのに迎えにさえ来ないし…」

本当に…酷いお父さんだ。

「当麻が入院すんのなんか、今に始まった事じゃねぇし…親からしたら、またか…ぐらいだよ」

…冷たいな。

そんなの、家族って言えるのかな。