恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「当麻くん…聞いて。私…昨日」

そこまで言うと、当麻くんは腕を少し緩めてくれた。

「昨日…何だよ」

「天ちゃん先輩と…話したの。そしたら、当麻くんのお父さんの子だって…わかってても、自分が育ててやりたかったって…言って…たよ?」

「…あっそ」

「あっそぉって…何?」

「言うじゃん、あいつ」





当麻くんは、いつものようニヤリと笑ったのか

語尾が少し笑い声になっていた。

「…んだよ、結局オレは負けっ放しかよー」

「もぅ…当麻くん。人生全て、勝ち負けじゃないよ?いつも勝った負けたって言うけど」

「うるせーな。勝ちてぇんだよ、常にな」

当麻くんに隙ができた途端、くるりと後ろを振り返った。

そしたら、気まずそうな当麻くんの顔。





「…何?その表情」

「そっちこそ、何で笑ってんだぁ?オレの顔、怖くねぇ?ボコボコでさぁ」

「うん。大丈夫!だって、大切な当麻くんだもん。傷跡も、愛せるよ」

「バカか?」

「うん。バカでいい…。だから、また付き合ってね」

「…ふぅ」

当麻くんは、ため息をついた。

あれ…ダメ?なのかな。