…そっと入ろうと思ってたのに

自分を抑える事ができなかった。



だって

当麻くんの顔…

傷だらけなんだもん。





頬や顎が赤く腫れ上がり、片目には眼帯をしていたんだ。

もちろん、ベッドに横になったまま。

目をぼんやりと開け、ぐったりとしていた…。


「当麻くん!?」

「…うわ」




私が病室に入ると、当麻くんは慌てて体を半分起こす。

腕には点滴、ベッドからはとてもじゃないけどすぐには逃げられそうにない。

だから諦めたのか…

当麻くんはそのまま顔を背けてしまった。




「当麻くん」

「…」

無言で布団をかぶり、隠れてる。





「当麻く~ん」

「うぜ…」




うぜーって言われても

めげないもんね。




だって、今は

私が…当麻くんの彼女だもん。





昨日サヨナラって言われたけど…ね。