恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

離してって言ったものの、怖くてそれ以上は何も言えなくなってしまう。

「うわ~。可愛いなこりゃ。今年の一年はレベル高いなぁ」

金髪とまではいかないけど、明るい髪色と長めの前髪を揺らし、ニヤニヤして、彼は私の顔を覗き込む。


い…嫌だよ。どうしよう…。振り切って逃げられるかな。変に逃げて、殴られたりしたら…?怖いよ。

歯のない彼は、私に腕を絡め楽しそうに歌い出してるし。私は怖くて目を背ける事しかできない。


「入学式サボりついでに、今からオレたちといいコトしねぇ?可愛がってやるからさぁ」

男の手が私の顔に触れる。

「…や」

「あん?」

「嫌って言ってんのよっ!私に触らないで!」

顔に触られた事で、一気に私もプッツンきてしまう。

怖いと思ってたけど…思わず叫んでしまい、振り払った手が彼の顔に思いっきりあたった。

その僅かな抵抗は、大きな間違いだったんだ。