恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

当麻くんの目は…

嘘をついている気がしたから。





真剣な話をする時。いつもなら、絶対に目を逸らさないのに

今はわざと合わないように、逸らされる。

当麻くんの指に挟まれたタバコから、ユラユラと揺れて上がる煙が夜空に溶けていく。

当麻くんは、ただ…

その煙を見つめていた。






当麻くんが乗っているバイクに近寄ると、気まずそうな顔をしてまた顔を背けられてしまう。

「…何でよ。好きになる時も身勝手で、別れる時も自分の都合?

こんなに…好きにさせといて、今さら…別れてやんないから」

当麻くんのタバコを軽く摘むと、彼は素直に唇を開いた。

「そーいやさぁ…」

「…なぁに?」

「初めて会った日も…そーやって怒ってたよな」

入学式の日だよね。

あの日、当麻くんは金髪で…今より更に目つきも悪くて。

まさかそんな人と付き合うなんて、思いもしなかった。




…でも、好きになった。