恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

また殴られるっ…。目を閉じると、天ちゃん先輩の手は、私の頬には飛んで来なかった。




…あれ。

目を開けると、

目の前に…長い睫が見えた。





え。

頭が真っ白になった。







反応する前に…

天ちゃん先輩の冷たい唇を感じる。









…嫌だ。

何でぇ?






天ちゃん先輩は、
全然…紳士なんかじゃないよ。

私に卑劣な言葉を浴びせたり

こんな仕打ちをして…

何が楽しいの?

これが、当麻くんに対する仕返しなワケ?








「あり~、反応ナシ?」

そっと触れた唇を離すと、ニヤニヤして私の顔を覗き込んでる。

「…何よぉ。キスぐらい大した事ないんだからっ」

怒りで…肩が、震える。

「だってマジでやってねーもん。真剣にしたら、腰砕けるよん」

「と…当麻くんの方が上手いからっ!天ちゃん先輩のは、愛がないもん」

「ふーん。愛なんかなくても、男と女は繋がれるって、知ってるか?」

はぁ?

「何言ってんのぉ。バカじゃない?」

「だぁから、オレにそーいう口聞くなよ」

「痛いっ」