恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「いいよ、もう帰ろー」

そんな当麻くんは無視し、二人でエレベーターに向かう。

あ…。参考書とバイクの雑誌、これは置いて行こう。また明日使えるからね。




「鶴くん。これ置いてまた戻ってくるね」

「わかった。オレ下の売店で飲み物買って飲んで待ってるから」

鶴くんは…

気をきかせたのかどうか。

私がすぐ戻らなくていいように、そう言ってくれた。



あの人たちがいたら、当麻くんと話せないよ。

…怖いもん。




廊下を歩き病室に戻りかけた時、私の前にうちの制服を着た…長身の男性が現れた。




「よぉ。まだいたんだ?」

ニヤニヤ笑うその人は、言わずとしれた天ちゃん先輩。

うぅ…一番嫌な人に出くわしちゃった。

…無視しよ。




下を向いてスタスタ歩くと、腕を取られる。

「当麻、今取り込み中~。オレが相手してやろっか?」

「結構です」

振り切って行こうとするも、強い力で掴まれ手を離してくれない。




「やめてよっ、触らないで」

「あ~アンタまた言ってら。オレにそーいう口のキき方すんなっつの…」