恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「さや…悪い事は言わねーからさ。当麻との付き合い、ある程度ヤバいと思ったら、見切りつけろよ」

お兄ちゃんは、吐き捨てるように言った。

「そんなわけにいかないよ…。当麻くんが心配だもん」

「…当麻はぁ。がんじがらめだからさ。将来的に…親と家柄に従うしかない、みたいな」

「なんで?お金持ちか何だか知らないけど…もっと自由に生きれないの?」

「当麻はまだ自由な方だぜ?それより兄貴が…な」

お兄さんって。当麻くんの家にいた…あの人だよね?

「お兄さん…会ったよ?ちょっと感じ悪い人だった」

「さや…大丈夫だったか?」

「大丈夫って?」

お兄ちゃんは、私を見て…言いにくそうにしてる。

「いや…。当麻の兄貴…昔さやに嫌がらせした…あの張本人だから、さぁ」

…嘘ぉ。あの…人が?

言われてみれば、あんな顔だったのかも知れない。

あの時も、冷酷そうな…切れ長で、冷めた瞳をしてた…。

「さや…。誤解すんなよ。あの兄貴な、あの頃はすげー悪かったケド、今は真面目にやってるよ」