恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「…心配させんなよ」

当麻くんの手が腰にまわり、引き寄せられたかと思うと唇が近づいて…

あっという間にキスされてしまう。

温かい感触に、ここが病室だって事を…すっかり忘れてしまいそう。

「く…るしぃ」

無理やり引き剥がすと、目の前の当麻くんは…

いつもに似合わず、とても不安そうな顔をしていたんだ。

「当麻くん…?」

「さやは…オレだけだよな」

「そうだよ。何なの、突然…」

「…オレ」

そこまで言って、当麻くんは黙ってしまう。

もしかして…

天ちゃん先輩が今日言った事が関係してるのかな。

当麻くんが…昔、同じコトをした…って。

「…安心してよ。私、不良の彼氏は当麻くんで十分だから。もう心配かけないでよね?」

「…わぁってる」

当麻くんは膝を抱え、顔をうずめてしまった。

…今日は何か珍しく弱気だな。

やっぱり病院の雰囲気でそうなっちゃったのかな。

当麻くんは顔を上げた途端、自分の足を叩こうとしていた。

「ちょっと?当麻くんやめなよ…」

「くそっ…何でだよ!この足…早く治れっ」