恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「くそっ。誰に聞いた?鶴か」

「違いま~す。天ちゃん先輩に、これ頼まれたの」

当麻くんの机の中から取り出した物の一部を袋から出す。

「へへ~。当麻くん、こんな雑誌机に入れてるなんて本当にバイク好きなんだね」

机の中には、バイク雑誌が何冊か入っていた。

「天のヤロ~。何でわざわざバラすかな…」

「ね。何で入院?」

「複雑骨折だ」

当麻くんは、諦めて布団をめくる。

布団の下から出て来たのは、包帯をぐるぐる巻きにされた足だった。

「えーっ!?昨日…あの後だよね?」

「まぁな。骨折つっても、足の甲だけだし。すぐ治る」

「どうして…?」

当麻くんは私を見ると膝を折り曲げ、手招きする。

「まぁ…こっち来いよ」

「話してくれないと、ヤダ」

「来ないと話さねぇ」

む…。

まさか…こんな所で触って来ないよね?同じ病室には他にも何人か患者さんがいるし。

近くに歩いて行くと、手を引っ張られ、ベッドに座らされた。

「しばらく…退院できねぇわ」

当麻くんは珍しく少し情けなそうに笑うと、ため息をついた。