教室に戻り、月ちゃんに事の成り行きを話す。
さっきの一件で、お腹は空かず。今日のお弁当は全く手をつけてない。
「うっ…。月ちゃん、ひどいでしょ?何で私ばっかりこんな目に…」
「さやはぁ~…中学の時からモテてたじゃん。何を今さら」
「モテてないよ」
「ううん、モテてたよ。そりゃ、サッカー部の王子と付き合ってたから、誰も手出しできなかったんだけどねぇ」
王子…ねぇ。
たまたま、付き合ってた子が王子になったというか。
付き合い始めは私より低くて、みんなに小猿とか言われてたような子なんだよ?
成長するにつれ…
背もぐんぐん伸びて、顔もかなり整ってきた。
いつの間にか、彼は女子に囲まれ…
気付いた時には、
私のそばからいなくなってたんだ。