恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「…いや。一応…4人は住んでるな。全く顔合わすコトねぇけどな」

「顔合わすコトない…の?」

「そーだな。父親は夜中に帰って来て朝早いし、母親は仕事や趣味で海外によく出掛けてる。兄貴は…父親とほとんど行動共にしてっから、オレだけ誰とも顔合わさねーな…」

…そうなんだ。

何か複雑そうだぁ。

「でもお母さん、料理得意なんだね。見た事ない食材が…たくさん冷蔵庫に置いてあったよ?キッチンも使いこなしてそうだし…」

「あぁ、あれ兄貴の趣味な。うちの母親、料理さっぱりできねーから」

お兄さんの…趣味?

へぇ…。お母さんに続き、お兄さんにも早く会わせて欲しいよ。どんな人なのかな。

「休みの日に…作ってるんだ?」

「そーみてぇ。ま、普段の兄貴は父親の犬だから。時間見つけて、料理作ってるみてーだな。たまに、朝起きたら作り置きがあるんだぜ」

「へぇ…」

お兄さんの事を話す当麻くんは、犬だとか言いつつも…作り置きがあるって箇所ですごく嬉しそうに微笑んでいた。