恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

当麻くんは…

目を閉じ

開いた口から、小さな寝息を立てていた。



うそ…

寝てる?





どうも、寝たフリじゃないみたい。

寝息は次第に、いびきに変わる。




あはは…

真面目に寝てるよ。

当麻くんの顔を覗き込み、その顔をマジマジと見つめる。




無防備な表情は、起きてる時からは想像できない穏やかな表情だった。

そう言えば…

当麻くんていつも隙がないんだよね。

常に何かに神経配ってるような。




さっきはたまたまボーっとしてたけど、普段は歩いてる時とか、何気にピリピリしてるし。

疲れないのかな。



当麻くんの手を見ると、指の関節辺りに無数の傷が見えた。

さっきは気付かなかったな…。

また、ケンカしたの?





ピクッと当麻くんの指が動く。

思わず、その手を握りしめていた。




小刻みに震える指。

夢の中でも…また誰かを、殴ってるの?






あんまり心配かけないでよね。

当麻くんには、もうケンカはやめてもらいたい。