「…何の話だ?」

お爺さんが眉間に皺を、更に深く刻む。

「あぁ、オレがまたタバコ吸ってんのか怪しまれた。爺さん、煙くせーよ」

「お前に言われたかないわ。嫌ならバイトしてもらわなくて結構」

「るせーな…」

当麻くんは、口をつぐむとそのまま静かになってしまう。



お爺さんの前での当麻くん、カワイイな。子供みたい。

クスクス笑ってると、お爺さんが私の前に銀製の大きなカップを置いてくれた。

さっき当麻くんがいない間に、アイスロイヤルミルクティを頼んだんだ。



目の前のカップの中から、不揃いの大きくて透明な氷が覗いている。

取っ手までキンキンに冷えたカップに入ったミルクティを、一口飲んでみた。

これ、お爺さんのオススメ。

「うわぁ…、美味しい~」

お世辞じゃなく。

本当にすごく美味しい。香りも濃さも、私好み。



「ハハハ。次来る時もワシに頼むんじゃぞ?当麻にはまだこの味は出せないからな」

「はぁい」

素直に返事をして当麻くんを見ると、意外にも当麻くんも笑っていた。

拗ねたりするかと思ったけど、違うんだ?