恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

目の前には、レトロ過ぎる喫茶店。

アンティークカフェと呼ぶには…小綺麗さが、なさすぎ?

バイクから降り、当麻くんに手を引かれるまま…店の中に入る。




薄暗い店内には、カウンターがあり一人のお爺さんが、煙草をふかしていた。

立ち込める煙に、むせそうになる。

「もしかして…溜まり場?ヤンキーがいつもここにタムロってるんだ?」

私が嫌味たっぷりにそう言って、軽く睨むと、当麻くんは首を振った。

「いや…。ここで、暇があればバイトしてる」

「バイトぉ?」

「そ。あれ、うちの爺さん」



当麻くんはカウンターのお爺さんを指差すと、私を席に座らせて自分はカウンターの中へ入って行った。

え…と。

当麻くんのお爺さん?

じゃあ、ここは。当麻くんのお家?

キョトンとしてるとお爺さんと目が合った。

慌てて頭を下げる。



うわ、無視だよ。

お爺さんは眉間に皺を寄せムッとすると、当麻くんにカウンターを譲ったかに見えた。

「女なんぞ連れてきおって…。この、ドスケベがっ」

ドカッ

…え。