恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

直接は見られてないけど…

疚しい事をしてるのは、バレバレで。





当麻くんは唇を離すと、フッと息を吐く。

「タバコの味した?」

「…ううん。全然」

「だろぉ?」

得意気に笑うと、おでこをコツンとくっつけてくる。




「あー。何か久々ホッとしたな。さやに癒された」

「…最近忙しそーだもんね?普段何やってるの」

「別に何も」

何もって言う割には、忙しそーなんだけど?




「今日は?一緒に帰れる?」

「そんな時間までいるかわかんねぇな…」

そうなんだ。

「わかった」

「わかった?…素直だな」

素直じゃないよ。本当は引き止めたいけど、言えない自分がいる。




本当は…自分に素直になりたいのに。




好きになると、嫌われたくなくて言えない事が増えていく。

その代わり私の口から出てくるのは、強がりばかり。

「今ちょこっと会えたから、大丈夫。また明日も会いに来てね?」

にこっと笑顔を作ると、当麻くんはふうっとため息をついた。