恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

何の偶然か…お兄ちゃんがこの間私にくれた、いちごみたいな棒付きキャンディだった。

お兄ちゃんのはひとつだったけど、絹川くんがくれたのは、



棒の先に真っ赤なキャンディがついていて、同じキャンディがたくさん束ねられていて…

持ち手には、大きなリボン。



まるで…

花束みたいでかわいい。




小さな赤い束を差し出す絹川くんが、何だか素敵に見えて、手を差し出すのも忘れしばらく見とれていると。

「早く取れって。…何かオレクサくねぇ?」

「へっ?臭い?」

キョロキョロしてると絹川くんは立ち上がって、

私の手に、キャンディの束を重ねる。

「…こんなんで悪いな。またちゃんと何か買い行くし」

「え…誕生日じゃないけど、何のお祝い?」




「オレとさやが、出会った記念」

絹川くんは目を細め、甘い笑顔で私を魅了する。

今の方が、十分クサいじゃない…。

でも、嫌じゃないな。



こういうの、された事ないし。