恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

『さやちゃん、絹川くん…いい奴だよ。
今までの事はよく知らない。だけど、今の絹川くんは、昔とはちょっと違うんじゃないかな。

クラスでさやちゃんの事話す絹川くん…すごく優しい顔してる』



絹川くんの優しい瞳を、思い出す。




免許証の写真や、月ちゃんの携帯の絹川くんは

確かに今と違う。



それに…



これ。










お昼休みなのに、周りから隔離されたような静けさの空き教室は

静か過ぎてちょっと怖い。





絹川くん、いないのかな。

机だけが目に入ってくる。




カタン

「ひゃあっ」

朝みたいに、突然後ろに人影を感じる。

振り向くと、絹川くんが立っていた。



「マジで来た」

嬉しそうに微笑んで、私の頬を軽くつまむ。

「鶴くんに頼まれたから来たんだよ」

「…鶴?」

優しかった絹川くんの顔が歪む。そして、私が差し出したスーパーの袋を、もぎ取った。



「…あのヤロ~。さやに渡してどーすんだよ」