恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏

「ハイハイ。なぁ、さや最近どーなん。王子の後、気になるヤツとかできたか?」

月ちゃんに続き、お兄ちゃんまで私の元カレを未だに王子と呼ぶ。

それはサッカー部の王子って、彼が中学で有名だったからなんだけど。

でも王子って。知らない人が聞いたら、きっと笑う…。




絹川くんは、気になる…じゃないよね。

気に障る…?目障り?

確かに、今日みたくメガネなしで前髪すっきりあげてたりすれば、一見爽やかな好青年なんだけど。

蓋を開ければ…だよね。

できれば、

あんまり関わりたくないんだけどなぁ。




「いないよー。…何で?」

「おーそっか。いねぇか。あんな、今日来てたヤツがさ~、さや紹介しろってうるさくてさ。な、一回会ってみねぇ?」

「やだ」

「えっ、会うだけだし。これやるからっ」

「嫌っ。ほら、出てけ~」


お兄ちゃんを押して、部屋から放り出す。



もうっ。

お兄ちゃんの紹介じゃ、絹川くんと変わらないじゃない。

不良には興味ありませんからぁ。