「愛未…?」
悟は、妹の行動に何も言えずに見ていた。
「黙ってて!」
愛未は、兄に言ってノートパソコンに映る新聞記事を真剣に見ていた。
愛未は、多くの死をもたらした事件の記事を隈なく目を凝らして読んでいた。
「あった!お兄ちゃん、あったよ!」
愛未は、兄に言ってノートパソコンを見せた。
それは、約35年前の地方誌が大きく報じているものだった。
197X年9月19日午前2時関東のとある学校の一学年の教室で首を吊り少女が自殺した。
自殺の原因は、イジメだった。学校側は認めなかったが、少女の遺書が各メディアに送られていたのでどのメディアも卑劣なイジメによる自殺だと大きく報じた。



