衣理はドアを開けて家の中に声をかけた。しかし、中からは反応がなかった。仕方なく衣理は家に上がり込んだ。
家の中はまだ、夕方前なのに薄暗かった。そして…
「きゃぁぁぁぁ-!」
と……衣理は悲鳴をあげる。
リビングに入った衣理の目に飛び込んだのはあまりにも悲惨なものだった。
リビングでは柚依の両親が身体をめった刺しにされて血だらけで息絶えていた。
衣理は柚依のことが心配になって部屋と続く階段を駆け登った。
「柚依っ!」
衣理がドアを開けるとそこは血の海だった。部屋のベッドに柚依は自分の左胸を刺して自殺していた。
「柚依…柚依!」
衣理は、柚依の身体を揺すって泣き叫んだ。



