声の主は言って柚依を見る。柚依も声の主を見る。 『死にたくないのね。』 確認するように言った。柚依は頷く。 『そう。じゃあ…早く終わらせてあげる。』 声の主は薄笑いを浮かべて言って姿を消した。 「柚依。遅くなってごめんね。」 恐ろしい存在が消えてからすぐに現れたのは親友の衣理だった。 「衣理っ!」 柚依はそう言って衣理抱きついた。 「!?」 「柚依…。もう、怖がらなくていいから。」 衣理に言われた柚依は口の端から血を流していた。衣理は、柚依をベッドに寝かせて哀しい瞳を向けて見つめる。