「今から行くから家に居てね。」 衣理は、柚依に言って電話を切った。 『死ぬのが恐い?』 急に聞こえてきた声に柚依は敏感に反応して壁に後退った。 『死ぬのが恐いの…柚依…。』 「恐い…死ぬのは、恐い…。」 柚依は、震えながら言った。 『そう…。でもね…生きている方が辛いこともあるわ…。』 柚依に語りかけるように届く声は止まない。柚依は足を抱えて部屋の隅で震える。 「どっか行って!美機や志保を殺したのもあなたでしょ!」 柚依は、そう声の主に言った。 『あなたは…頭のいい子なのね。』