柚依に言われて志保も気がついた。 「ねぇ、こっちきなよ。」 衣理に呼ばれて二人は柵に向かった。そこから見える景色はとても美しかった。 「ねぇ…美幾は淋しいんだよね。」 衣理は呟くように言う。 「そうだね…。淋しいから迎えに来たよ。」 柚依に言われて振り向いた。志保は危険を感じた。 『そうよ…。だから、迎えに来たのよ…。』 恐怖の声が近くに響く。志保は振り向けはしなかった。 『志保…。』 身体を冷たい手に掴まれる。身動きがとれない。恐怖が志保で襲う。