侑菜は、ずっと見ていた。愛する両親のナミダを……。 裏切りに溢れた友を…。 「今日……無事に侑菜の葬儀が終わったよ。」 夫は、病室のベッドで眠る妻に言った。妻は、安定していた。 娘の死を受け入れられなくなった妻に面と向かっては、言えなかった。 夫は、ナミダを流した。 娘の死の原因が“イジメ”だと、遺書を読むまで気がつきもしなかった……。 娘が酷い“イジメ”に遭っていたことさえ知らずにいた。 「侑菜が…安らかに……眠れるように…供養し続けよう。」 夫は、眠る妻に話し続けた。