女は、言って息絶えた。すると、バタバタと大勢の足音がした。


「楠木悟っ、抵抗せずに大人しくしろっ!」


 多くの警官は、叫んで悟を囲んだ。囲まれて悟は、はっとようやく我に返って自分の手に血だらけの刃物がしっかりと握られていた。すぐ近くには、女将の影山渚が血だらけで倒れていた。
 そして、自分が殺人を犯したことにようやく気がついた。


「よし、連行しろ!」


 警官は、言って悟を連れて行く。
 旅館の中は、血の海だった。
 これが…侑菜と樹梨の報復だ。



<ふふふ…あははは……許さないよ…。私は……言ったはずです…。
“ 私を苦しめた者たちよ。正義の罰は下される。哀れで愚かなあなたたちに一人残らず……”と。>