そう言って兄・悟は妹に笑いかけた。


「もう!」


 愛未は兄の背中を小突いた。悟は笑って妹を見つめた。


「お通夜って誰の?」


「杉並侑菜さんのお通夜よ。」


 言われて悟は妹を驚きの瞳で見つめた。


「杉並…侑菜…さん?どうして、その名前が出てくる?」


 愛未はそれを聞かれて首を傾げながら


「どうしてって、私の心友よ。」


と愛未は静かに微笑みながら兄に言った。


「えっ?」


「だから、侑菜は中学からの友達よ。だから、今日はお通夜に行くの。」


 愛未は言った。