6 「女将っ、大変ですっ!」 フロントの青年が走ってやって来た。 「なんです、騒々しい。」 女将の渚を支配している“樹梨”が返事を返した。 「お客様が、皆さん…血を流して……。」 ドア越しにフロントの青年は、言った。女将は、クスっと笑った。そして 「そう…それは……大変だねぇぇぇ。」 と…言ってドアを開けた。 「あぁ…!」 フロントの青年が悲痛な声を上げた。しかし…遅かった。 女将は、紙をざんばらにして着物は着崩れていて口の周りには血がダラダラと付けながら流していた。