「これは、握り絞めていた物とは違いますね。」


 刑事が遺書を読みながら言った。


「やはり、そうなんですね。」


 刑事の言葉で父親は確信したように呟いた。


「心当たりがありますか?」


「はい。娘が、居ないのに気がついたのは朝方でした。その時に、娘のパソコンの電源がついたままでした。」


 父親はそれが気になっていたようだ。


「ノートパソコンの画面は、たちあげたままでしたか?」


 刑事は父親にしっかりと聞いた。