電車がやって来た。 「きゃぁぁぁ!!」 悲鳴がホームに響く。そして、黒ネコも向かう。 ホームに入って来た電車に彩禾の身体は大きく跳ね飛ばされて線路に転がった。 キッィィィー!! 電車のブレーキ音とホームに居た人達の悲鳴が重なる。 電車は、止まらずに線路に倒れる彩禾をひとつ目の前輪で踏んだ。 線路の上は、血の海だった。黒ネコは、その血の海の中で彩禾の血を一心不乱に舐めていた。