彩禾は、ホームに立ち尽くして泣きながら言った。黒猫は、それを冷ややかに見つめている。 「侑菜……私…本当に……死にたくない。」 彩禾が言って顔を覆って泣いた。黒猫が小さく鳴いた。 彩禾は、その声につられて顔をあげる。 すると…。彩禾が、少し黒猫から目を離した隙に黒猫が姿を消していた。 「えっ!!」 彩禾は、辺りを見回した。しかし、黒猫の姿は何処にも居なかった。