「誰?誰か…居るの……?」 彩禾は、そっと誰もいないはずの場所に声をかけた。 <憐れな……子よ。私も…そうだった……。> 「誰なの?」 彩禾は、もう一度声をかけた。窓から入る風が強くなりカーテンが揺らぐ。 <おいで…憐れな哀しき子よ……。> 彩禾は、黒猫を探した。すると、黒猫がリビングの茶箪笥の上から自分を見下ろしていた。 「大丈夫よ。」