忘れられるか…… この怨み。 忘れられるか…… この哀しみ。 忘れられるか…… この虚しさ。 沙織には、侑菜の呪いの言葉が届いていた。 沙織は、長い病院生活で失われた体力は大きかった。その為か、逃げ足はかなり病院を出てから落ちていた。 「はぁっ、はぁっ…。」 沙織は、振り向かない。何が、後ろにあるのか解っていたからだ。しかし、『後ろを見ろ』と無言の訴えがあった。それでも、沙織は振り向かない。 振り向いてはいけない…。 解っている。 逃げナケレバ…。