しかし、遅かった。 沙織は、その看護師の両腕を掴んで白く美しい首筋に噛み付いた。生々しい赤い血が滴りおちる。 看護師は、沙織を横目でチラッと哀しみと淋しさと怒りが入り交じった瞳を向けた。 沙織は、そんな瞳には気が付かずに噛み付き続けていた。 「ぐっ…うぅ…。」 看護師が苦しそうに喉を鳴らしながら布団を握り締めていたがその手も力が無くなっていく。 「つぅ……ぎぃのぉ…獲物は……だぁれかなぁ…。」 沙織は、ニッタリと笑いながら言う。 もうすでに床は血の海になっていた。