侑菜の囁く声が聞こえる。聞こえてくる。 「内橋さん。ナースコール押しましたか?」 沙織の担当看護師がやって来た。 「苦し…い……。」 沙織が囁くと看護師は、走ってベッドサイドに来た。 「はず…して。」 沙織は、終わった点滴を指差した。 「いま、外しますね。」 言って看護師が自分の前に覆いかぶさるようになったときに沙織は、獣のように身体を起こして看護師の白い美しい首筋に噛み付いた。 「内橋さんっ!」 言った時には遅かった。白い首筋とシーツは、真っ赤な血に染まった。