「長々と世話になったね。」 悟は、フロントの青年に声をかけた。青年は、にっこり笑って 「こちらこそ、長いご利用ありがとうございました。」 と言って頭を下げた。 「また、近いうちに来ます。その時は、また宜しく。」 悟は、言って旅館を妹と後にした。 「お兄ちゃん…。」 不安にかられて愛未は、兄にすがるような目をした。 「大丈夫だ。この、連鎖を止めよう。」 悟は、愛未にはっきりと言った。愛未は、頷いた。 二人は、静かに自宅に帰る。