しかし…遅かった。
バタバタと振っていた腕が大人しくなる。衣理の髪が身体より先に水面に浮く。
「えぇぇぇりぃぃぃ…お前を……何処に飾ろうかぁぁぁ。」
柚依の姿をしていた侑菜は、言って水面に浮く髪を握り締めて持ち上げてからプールに捨てる。 結局衣理は、プールに浮いたままになった。
忘れられるか……
この怨み。
忘れられるか……
この哀しみ。
忘れられるか……
この虚しさ。
「ふふふ……。あははは。たのじぃねぇ……次の…獲物はまぁだかなぁ…。」
暗い闇夜に不気味な声が響く。
遠くで猫が獲物を捕まえて鳴いてた。



