柚依は、静かに言ってくる。衣理は、首を振る。 辺りは陽も落ちて息も白くなるくらい気温が下がっていた。衣理は、身体を震わせて肩を抱く。 「衣理……。」 柚依は、もう一度名前を呼んで身体を滑らすように衣理に近づき始める。 衣理は、後ろが冷たい水の張られたプールだった為に後ずさることが出来なかった。 「柚依。やめて…お願いよ…。」 衣理は、懇願するように言ったが柚依はどんどん近づいてくる。 衣理は、ギリギリまで足を下げる。