「さぁ…追いかけっこの……始まりだよぉ…。」 黒猫は、そう侑菜の声で言った。衣理は、背筋を凍らせた。 「侑……菜…。」 衣理は、すぐに走り出した。 黒猫も衣理を追う。 沙織の病室から逃げて来たのはまだ陽が高かったのにもう、陽が沈みかけていた。 逃げなければ。 逃げきらなければ、と衣理は思って全速力で走り続けた。 「逃がしは…しないよぉ……。」 黒猫は、言いながら衣理を追いかける。“憎しみ”を抱いて…。 「ぐふふふ…おいじぃねぇ……。おいじぃ…ぐふふふ……。」