沙織は、人間とも思えない早さで看護師の前に立ち塞がり看護師の襟首を掴み自分のベッドに捩(ねじ)伏せて首筋に噛み付く。
「きゃぁぁぁ!」
看護師の悲鳴は病室に悲しく響くだけだった。
衣理は、悪寒がして振り向いた。
「何してるの?」
衣理は、一緒に喋っていた片原(かたはら あやか)彩禾と山田(やまだ なな)奈々の二人に声をかけられてハッと我に返った。
「あっ、うんん。なんでもない。」
衣理は、言って談笑の中に戻った。
しかし、衣理にはとても気のせいに出来なかった。
「あっ、昨日沙織に逢いに行ったんだけど面会謝絶になってて逢えなかったの。」
彩禾の話しに衣理は、身を乗り出して聞いていた。
「それ、本当?」



