3 「きゃぁぁぁっ!!」 美幾は母親に向かって尋常じゃない叫び声をあげた。 「美幾!美幾!何を騒いでいるの。」 母親は娘の頬を軽く叩いた。美幾はようやくいつもの日常に戻れた。 「お母さんっ…」 「何泣きそうな声出してるの。」 母親は美幾に少し冷たく言った。 「怖かった…。」 美幾は言って珍しく母親に抱きついた。 「美幾、早くしなさい。学校に遅れるわよ。」 母親は美幾の背中を撫でてからそう優しく言って下に降りて行った。 ようやく現実に戻れた。