悟は、しっかりと記者の必需品の手帳を取り出して話しを聞き始めた。
「あぁ…いいよ。好きなこと聞きなよ。」
男は優しく返してきた。愛未は邪魔にならないように静かに兄の後ろに座っていた。
「樹莉さんが亡くなる前、若い女性と子どもたちの行方不明事件がありましたか?」
悟はゆっくりと丁寧に聞いた。
「あぁ、知ってるよ。あいつが死ぬまでは事件なんて交通事故くらいしかなかった。」
男は、そう答えた。
「なるほど…。つまり、行方不明事件は、樹莉さんが亡くなってから起き始めたってことですね。」
悟は、最後の確認とばかりに説明のような聞きかたをした。
「そう。詳しくはコイツから聞いて下さい。今、交番に勤めてる。」
名前と住所と電話番号を紙に書いて渡してくれた。
「ありがとうございました。お話しが聞けて良かったです。」



