続いて入って来た看護師に言われて衣理は部屋から出されてしまった。 「沙織……大丈夫かしら…。」 衣理はドア越しにそう呟いた。 『ねぇ…衣理…。』 衣理は、ハッとして振り向いた。しかし、誰もいない。 「なっ…何よ。びっくりしたじゃない。」 誰に言う訳でもなく独り言のように衣理は言った。 『忘れないで…あなたのしたこと……。』 衣理にはもう、聞こえていなかった。 「あっ、沙織の様子は?」 衣理は出てきた看護師二人に声をかけた。 「大丈夫ですよ。今は、落ち着いてます。」