美幾は、しばらく走っていると黒猫の鳴く声がしなくなったので立ち止まって恐る恐る後ろを振り向いた。 すると、黒猫は美幾を睨んで鳴くことなく走って追って来ていた。 美幾は、その黒猫の姿に恐怖を感じてまた、走り出した。 美幾は、家に向かう道を黒猫の恐怖から逃れる為に走り続けた。 硬い渇いたコンクリートに美幾のローファーの踵があたる音が響いていた。