「じゃあ、知って良かったですね」
「クッ、ああ、本当だ。素敵な発見だよ。君といれば、無感動――いや、無感情な俺は、人並みになれるらしい」
彼と腕がぶつかる。
寄り添った、手を握ったまま、腕だけをくっつけ、空を眺める。
あの空は、私たちをどう見ているだろうか。
あちらはあちらで綺麗だが、こちらもこちらで――
「ユリウスの方が綺麗に見えるよ」
「シブリールさんだって、いつになくかっこよく見えますよ」
互いに笑いあった。
人間、笑っているときが一番素敵な笑顔なんだ。
それこそ、夜空の役者に負けないぐらいの地上の役者は、地に足をつけて力強く生きている。
消えたりなどしない確かな存在。思い出を持ち、誰かと感動を共有して、こうして幸せを感じる唯一の存在だ。


