「この感動――嬉しい気持ちが、ずっと心にあるように、唯一消えないのは人の想いだけなんですから」
この時の気持ちも思い返したい。
涙した感動と、彼が味わう気持ちも。
“今”は、この時だけだ。
またこの虹を見ても、きっと、“今”の気持ちは味わえないから。
「――そうだね。忘れない、忘れるわけがない。ずっと心に残る至福だ。こんなにも嬉しいのは、ああ、やっぱり君が隣にいるからか」
「私だって至福ですよ。こんなに綺麗な虹を見せてくれるのは、きっとシブリールさんしかいないから。
シブリールさんが出来る、私の至福ですよ」
「君だって同じたち位置にいられる。俺の至福は君だから。君がいなければ、俺はこれが“感動できるもの”だと知らずにいた。
後悔しても尽きなさそうだ。初めてこれを見て、無感動だったことに」


