顔を上げながら泣くのはきつくて、でも我慢してようと網膜に七色の夜空を焼き付けていた。
「オーロラって言うんだ、正式名称は」
彼が私の隣にくる。
声の向きは夜空に行っているみたいで、彼も私同様上を見上げているんだろう。
「本来ならば、極地でしか現れず、発生するにも色々な事象が必要なんだけど。これは俺が持ってきたものなんだ。オーロラの一部を切り取り、ガラス玉に保存した。
だからこそ、本場のものと違って、場所が整わないここでは、すぐに消えてしまうけど」
彼が私の手を握る。
びっくりして、あげていた顔を彼に向ければ――彼も私を見ていた。
「見られただけで幸せだって、本当にあるんだね」
笑いかけてくれた後、彼が上を向く。
同じ笑みで夜空を見て。
「本当に良かった。ユリウスが、隣にいてくれて」


