治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん



噴水を背に言う彼は、なんだか反則だった。


顔は相変わらず熱を持ったまま、いつもの変態的笑みがない微笑みは、見ていられないぐらいの輝き。


目をそらしたのはきっと、見続けていたら毒されると思ったから。


「ユリウス……?」


「な、何をするつもりですか、我慢ならないとか、辺りを暗くするとか言って」


「何って、ただ君が見せたかったものを見せるだけだよ」


「見せる……」


そらした目をまた向ける。そこには私同様、困惑したような彼の顔があり。


「そうか、説明不足だったな。ごめんね。でも説明するの難しくて、とりあえずは君が喜ぶ見せ物をやってあげると聞いておいて」


彼が、黒い水晶を差し出してきた。

先のセリフとこの動作から、見せ物になるのはこの水晶だと推測するが。