治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん



「殴り飛ばしますよっ」


「……、いきなり暴力宣言されてもなぁ。少しだけ待ってくれる?すぐに済むよ」


待てない私は拳を握る――けど、その前に力を抜いてしまうような光景にあった。


腕を引かれ、彼に連れてこられた場所。


噴水、大きな白い噴水があった。


大理石で造られているのかピカピカな噴水は、吹き出す水すらも透明で輝いていた。


噴水から水が地に流れている、細い水路が何本かあり、水の行き先はバラ園に向けて。


――素敵だった。


庭園に相応しいオブジェ。ぼう、と眺めていれば、彼の足が止まる。


「まあ、ここでいいか。ユリウス、暗くなるまで待っててね」


はっ、とする。
危うく綺麗な光景に我を忘れて、過ちをおかすところだった。


彼は私の腕を放し、両腕が自由な私はダブルパンチも繰り出せるが。


「ユリウスの願いを、また叶えてあげるからね」