私に指摘され、頭を下げるマトリさんは気にしないでいただきたいと一言。
その手には、水晶を置くための紫色した座布団。名前あるのかは知らないが、高級店とかでよくあるミニマム座布団だ。
で、肝心の水晶だが――真っ黒だった。
水晶と言われたんで、透明な玉を想像していたのに、まさかの真っ黒。
物置に放置されて腐ってしまったのかとも思う黒さだった。
思わずシブリールさんにあれでいいんですかと聞くが――いいんだと肯定される。
「ご苦労。ほれ、シブリール」
マトリさんが持ってきた水晶を持つなり、ほれっに似合うことをラグナロク様した。はっきり言えば、投げた。仮にも水晶と言われるガラスを。
慌てた感じでシブリールさんがキャッチしたのは言うまでもない。


